患者さんには「とにかくときめいてください」とお話します。
何しろ、ときめきは、自然治癒力を高める最高の要因です。

しかし、意外な反応が結構多いのにびっくりします。

「何にときめけばいいのですか?」とか「私にはときめくものがないのですが」と、きょとんとしているのです。

私など、毎日がときめきの嵐ですから、ときめきがないというのが理解できません。
しかし、そういう人が意外と多いわけで、私みたいなのはひょっとしたら例外なのかと思ったりします。

私がどんなときにときめくか。
晩御飯に出てくる湯豆腐。
病院の食堂へ入って、土鍋から湯気が出ているのを見るだけでときめいてしまいます。
ビールのひと口目。
一日が終わったと感激が広がります。
ウイスキーをグラスに注ぐときめきのあの音。
体の底からエネルギーが湧き上がってきます。

月に一度、お気に入りの女将がいる店に行くとき。
女将の着物姿を見るだけでときめきます。
早朝、一人で道場へ入って、太極拳を舞うとき。
きれいな月を見たとき。
患者さんの笑顔を見たとき。

要は、例えば庭に咲いている花を見たときにときめけるかどうかという問題なのです。
春には花が咲くのは当たり前だと思っていると、ときめきは生まれません。
寒い冬を乗り越えて、やっと花を咲かせて、「きれいでしょ」とアピールしている。
そんな風に感じられれば、心はときめきます。
そんな感性を育てることも、健康法なのです。