「この歳だからいつ死んでもいいよ」
と、高齢者の方は、よく口にします。
しかし、私が長年、がん治療に関わってきた体験からいうと、いくつになっても体調が悪くなると「がんじゃないだろうか」と心配になったり、実際に癌だと診断されると、顔が青ざめたり、落ち込んだりするものです。

どんな人も、いくつになっても、死というのは不安に感じます。
それは、当然のことだと思います。
年を取ったからといって、死を怖がってはいけないということはありません。

でも、あまりにも死に対して不安を持ち過ぎるのも考えものです。
息ている喜びが、死の不安で打ち消されてしまうと、生きる力が弱ってしまって、病気になりやすくなってしまいます。

死の不安に打ち克つためには、「死後の世界」について知ることが大切です。
死後の世界があるのか、まったく無になってしまうのか、だれも教えてくれません。
だから不安になるのです。

海外旅行に行くとき、何の情報もない国に行くとしたら、だれもが不安を感じると思います。
でも、その国はこんな気候で、こんな習慣があって、食べ物はこういうものが美味しくてといった情報があれば、その情報が正しいかどうかはともかく、かなり安心することができます。

死後の世界も同じで、日ごろから、死後の世界について、だれかと話しをしたり、その関係の本を読んで、こんなところだと自分でイメージできる状態にしておくと、不安も少なくなってきます。
たまには、家族と死について語り合ってみるのもいいでしょう。