「眠れないのですけど」という相談はけっこうあります。
特に、がんの患者さんの中には、ベッドに入っても、不安が次々と頭に浮かんできて、なかなか寝つけない人がたくさんいます。

不安や恐怖がいっぱいの状態が続くと、免疫力が低下してしまいます。
がん治療にプラスには働きません。

かといって、気持ちを切り替えようとしてもなかなかできません。
そんなときは眠るに限るのですが、いろいろなことを考えてしまって眠れないのですから困っているわけで、そうなってしまったら、ひとまず睡眠薬や睡眠導入剤の力を借りて強制的に眠ってしまい、悪循環を断ち切るというのもひとつの手です。

睡眠薬には、効果が短いもの、中くらいのもの、長く眠れるタイプのものがあります。
市販されていたり、病院で出されるのは、長く眠るタイプではなく、中間と短い方です。
どのような効果がある睡眠薬なのかを知って、主治医とも相談して、上手に使うのがいいだろうと思います。

ある大企業のトップの方と対談したとき、その方は、20代のころから4種類の睡眠薬を飲んで眠りについているとおっしゃっていました。

そのころ90歳近い年齢でしたから60年以上も睡眠薬を飲み続けているわけです。
彼は、眠れないことで仕事に支障をきたさないように、睡眠薬を飲むことを決めたそうです。

薬は飲まないに越したことはありません。

しかし、「何を大切にするか」という、自分の優先順位に従って、薬を飲んででも眠ることの方が重要だと判断したら、このトップの方のような選択もありだと思います。